ランチアは、1906年にイタリアのヴィンツェンツォ・ランチアによって設立されました。息子のジャンニ・ランチアへ代替わりして以降の1951年には、世界で初となるV6エンジンを搭載した「アウレリア」を発売しました。現在でも世界中の車で採用されているV型6気筒エンジン搭載自動車の原点がランチア「アウレリア」であることは、それほど知られていない事実でしょう。

1969年には同国イタリアのフィアット傘下に収まることになりましたが、その時までにランチアは高級車メーカーとしてのイメージが定着していたこともあり、フィアット製のエンジンを搭載しつつ、同社の高級車カテゴリに属する車両の生産を行うことになりました。

2009年には、ランチアの親会社にあたるフィアットが、世界金融危機で窮地に陥ったアメリカのクライスラーを傘下に収めたことにより、ランチアのブランドポジションも変化していきます。クライスラーとランチアは価格帯が重なることもあり、ビジネスプランとして、欧州ではクライスラーのモデルをランチアブランドで展開することになりました。その結果、ヨーロッパ諸国ではクライスラーを見かけることは少なくなりました。

日本国内での展開として、第二次世界大戦前から輸入が行われていました。正規輸入事業者も存在していましたが、販売台数は他の輸入車ブランドと比較すると振るわず、1999年以降、正規輸入は行われていません。